外出を控え、買い出しの頻度が低くなると困るのが「食材で冷凍庫がいっぱい!」問題。
とりわけ、肉類は「とりあえずひき肉とこま切れは冷凍庫!」「鶏もも肉は小さく切って冷凍庫!」のように、冷凍保存に頼りがちなのではないでしょうか。
冷凍以外の方法でしばらくの間保存できるお肉があればいいのに…と思っている方におすすめしたい救世主、それが塩豚です。

「塩豚」=豚かたまり肉の塩漬けは、まさに最近の外出自粛状況下の食料備蓄にぴったりだと思っています。
- 冷蔵庫のチルドで保存可能(約1週間程度)
- 肉の旨味が凝縮し、おいしさアップ
- 調理方法は自由自在!
一度つくればいいことずくめ。究極のつくり置きと言っても過言ではありません。
私は本格的に在宅勤務が始まった3月末から数えてすでに3本目に突入しています。
というわけで今回は塩豚のつくり方と、料理でどのように使えばよいかのアイデアをご紹介します!
塩豚のつくり方
使う食材

豚バラブロック(かたまり肉) 500g~1kg
写真は約850gのもの。普通のスーパーで売っていることもありますが、お肉屋さんや業務用スーパーの方が手に入りやすいと思います。
肉の種類は肩ロースでもOK。
塩 肉の重量に対して1.5%~4%程度
写真の肉であれば、13g~34g。調べてみたところ、レシピにより塩の量はかなりばらつきがあるようです。
そもそも「塩で漬ける」というのは、肉の中の水分と塩が結びつくことで微生物が利用できる水分の割合を減らし、微生物の増殖を防ぐ効果があります。
なので、後でご紹介する「塩抜き」が面倒だから、塩は控えめにしようかな~…というのはおすすめできません。塩分濃度を下げると、保存性が低くなります。目安として、最低でも肉の1.5%の重さの塩は使うようにしてください。
胡椒、ローレル、ローズマリーなど 適量
他にもお好みのスパイス・ハーブ類があれば足してもOKです。反対に、ハーブっぽい香りがつくのが苦手な方はローズマリーを抜くといいかもしれません。
市販のスパイスミックスを使う場合は塩が含まれていることがあるので、塩の量を調節してください。
手順①下準備
豚肉が冷凍されている場合は、室内に1時間ほど置いて解凍します。
塩の量を測り、スパイスと合わせておきます。ローレルはものによっては葉の断面が鋭く、手を傷つけるおそれがあるので、細かくちぎったら別のお皿に分けておきます。
肉が入る大きさの密封できる大き目の袋(下の商品のようなもの)、サランラップ、キッチンペーパーを手の届くところに置いておきましょう。
塩をもみ込む作業をするので、皮膚が弱い方は、ゴム手袋か使い捨ての手袋を使うと塩がしみなくてラクです!必要であれば準備しておきましょう。
手順②豚肉に塩とスパイスをすりこむ
解凍した豚肉をバットに入れ、表面の水分をふきとります。

普段もっぱらこま切れ肉や切り落としを調理していると、この大きさの肉がどん!と現れただけでもかなりインパクトありますよね。
塩+スパイスを、肉のそれぞれの面にもみ込んでいきます。
広い面だけでなく、側面にもしっかりつけていきましょう。

塩とスパイスをもみ込み終わったら、上のようにローレルの葉を散らして肉に押し当てます。手を切らないよう、気をつけてください。
ここまで終わったら、キッチンペーパー→サランラップ→保存用の袋の順に包み、冷蔵庫へ入れます。
手順②ドリップが出たらキッチンペーパーを換える

塩漬けにすると、肉の表面から水分(ドリップ)が出てきます。1日ごとにキッチンペーパーを新しいものと交換しましょう。
3日ほど経過するとドリップが少なくなり、水分が少なくなって肉がしまってきます。この頃から食べごろです!
手順③食べる前には塩抜きを
塩豚はそのまま食べるとかなり塩辛いです。また、塩分の摂りすぎを防ぐという点でも、塩抜きをしてから食べるようにしてください。
食べたい分だけ塩豚を切り分けたら、水を張った器に入れて30分ほど置いておきます。

そのあと、キッチンペーパーで水気をよくふいておきます。
水気がついたままの塩豚をフライパンに投入すると、水がハネて危ないのでかならず水気を切っておきましょう。
いろんな料理に応用できる!塩豚の使い方4選
できあがった塩豚は、水抜きしたらそのままシンプルに炒めるだけでも十分おいしいです。が、せっかくなのでどんな料理に使えばよいか、アイデアを4つご紹介します!
①野菜がいくらでも食べられる!薄切りにして豚しゃぶ風蒸し煮
豚肉のごちそうといえば豚しゃぶ。お肉がおいしいと豚しゃぶのおいしさも跳ね上がるので、ぜひ試してみていただきたい一品です。

塩豚を薄切りにして塩抜きをし、お鍋でさっと火を通せば完成!
…なのですが、かたまり肉は薄切りにするのが少し難しいかもしれません。
上の写真くらいの厚さに切れたら、そのまま蒸し煮にするのもおすすめ。

シャキシャキの水菜と一緒にフライパンでさっと蒸すと…

こんな感じです!豚肉で水菜がすすみます。永遠に食べ続けられるんじゃないかと思うくらいです。
お皿に取り分けたら、お好みで少しポン酢をたらしてもおいしいです。
豚肉の旨味が染み出たお鍋、シメまでおいしくいただきましょう。
②小さく切っても甘味と旨味がすごい、サイコロ塩豚チャーハン
お次はチャーハン。
チャーハンの主役は卵、ご飯。でも、お肉の小さい塊が陰ながらいい味を出しているチャーハンは美味しいと思うのです。
そんなチャーハンを塩豚でつくってみました。

塩豚を1cmの厚さに切り分け、さらに角切りになるよう小さく切っていきます。
脂が多いため、角切りにするのにはキッチンばさみの方が向いているかもしれません。
角切りにした塩豚、粗みじん切りにした玉ねぎとにんじん、にんにくを炒めます。

卵1個を入れてときほぐし、チャーハンの素、ご飯1.5人分を合わせて炒めます(このあたりはチャーハンの素の指示に従います)。
仕上げにパセリをちょっとだけ振ってできあがり。

コロコロの塩豚が口の中で「サクッ!じゅわっ!」と弾ける瞬間、ぜひご堪能あれ!
③にんにくとの相性はもはや神。カリカリベーコンで野菜炒め
先ほどご紹介したサイコロ塩豚は、小さくてもプリプリサクサクの食感でした。これをさらにじっくり炒めると、カリカリベーコンという別の楽しみ方ができるのです。

1cmの厚さに切り分けた塩豚を、長さ1cmずつになるよう切ります。先ほどの角切りよりやや大き目(縦長)です。
フライパンに入れ、じっくりと炒めていきます。ものすごい量の脂が出ます。

玉ねぎ、パプリカなどお好きな野菜と炒めます。
味つけはにんにくチューブと淡口醤油少しがあれば十分。
照り照りの野菜炒めができました!

豚とにんにくの相性が良すぎて、一口目からノックダウンされます。
そしてまた豚の脂で炒められた野菜がおいしいことおいしいこと。野菜炒めって何だっけ…とぼんやりした気分になります。

ちなみにここで淡口醤油を使ったのは、濃口醤油ほど色がつかず、少量でも味つけができ、豚の脂の味とバッティングしないように…という意図です。淡口醤油ってどんな調味料?と思った方は下の記事もぜひお読みください!
④角煮なみのゴロゴロ肉をほおばれ!圧倒的塩豚カレー
最後に、今日現在の最終兵器をチラ見せしておきたいと思います。
これまで紹介してきた3つのアイデアは、塩豚を比較的小さめに切り分け、野菜やご飯など他の食材と一緒に味わって楽しむものでした。
では…塩豚を大き目のゴロゴロカットにすると何が起こるかというと、
食感がプリプリどころではなくぶりんぶりんの、まごうことなき食卓の王様として君臨します。

ではそんな圧の強い料理をつくっていきましょう。
塩豚をザクザクと切っていきます。調理中に脂が出て小さくなるので、あえて大きく切ります。
この塩豚で野菜を炒めて煮込み、カレールーを入れると…

塩豚カレーのできあがりです。

他の具材の食感やスパイスのパワーにも負けない圧倒的存在感の塩豚。ほおばるたびにため息がもれ、いつの間にかむさぼるようにカレーを食べている自分に気づきます。
これは、ごちそうです。
塩豚で充実したおうちごはんを!
以上、(最後はタガが外れましたが)塩豚のつくり方と使い方をご紹介してきました。
冷蔵庫で保存ができ、いろんな料理に使えておいしさもワンランク上と、いいことずくめの塩豚。ぜひつくってみてはいかがでしょうか?
今回は4つ料理のアイデアをご紹介しましたが、7つ溜まったら「塩豚七変化」としてこの記事もしっかり書き換えるつもりです。それくらい、塩豚って手軽なのにおいしくて面白い食材だと思っています。
また、塩やスパイスの量を変えて漬けてみたりと試行錯誤もしているので、そのあたりも含めて記事をアップデートできたらいいかなと思っています。どうぞお楽しみに!
ふだんのつくり置きの様子はこちら
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